2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

テーマとストーリーからみた必殺シリーズの変遷5

必殺からくり人(8作目) 独創的な制作姿勢、テーマの2次化現象 テーマの特徴 シリーズ第8弾となった本シリーズ「必殺からくり人」は、設定・キャラクターともにそれまでの基本フォーマットに拘束されない自由で独創的な制作姿勢で作られているが、テーマ…

テーマとストーリーからみた必殺シリーズの変遷4

必殺仕置屋稼業(6作目) ピカレスクロマンの全面的追求、フィクション重視のストーリー テーマの特徴 シリーズ第2弾の「必殺仕置人」では、「頼み人の晴らせぬ恨みを晴らす」「法の網をくぐってはびこる悪を裁く」といった<カタルシス(懲悪)ドラマ>の…

テーマとストーリーからみた必殺シリーズの変遷3

暗闇仕留人(4作目) 仕置人を継承したテーマとストーリー テーマの特徴 前作の「助け人走る」が「必殺仕掛人」の延長線上で制作されたのと同様、シリーズ第4弾となった「暗闇仕留人」は、設定・キャラクター・テーマ・ストーリーとも「必殺仕置人」の延長…

テーマとストーリーからみた必殺シリーズの変遷2

必殺仕置人(2作目) 2つのテーマの融合、シリアスドラマ重視のストーリー テーマの特徴 シリーズ第2弾、原作なしのオリジナル作品としては第1作にあたる「必殺仕置人」も、<ピカレスクロマン><カタルシス(懲悪)ドラマ>の2つのテーマから成り立っ…

テーマとストーリーからみた必殺シリーズの変遷1

2つのテーマ・3つのストーリー要素 初期必殺シリーズは、2つのテーマ、3つのストーリー要素から成り立っている。 1つ目のテーマは<ピカレスクロマン>。これは「お金を貰って人様のお命を頂戴する裏稼業の人間たちの姿を描く」というテーマである。 2…

必殺シリーズの作品分類

必殺シリーズは、一般的には主水シリーズと非主水シリーズとに分類されている。だが、この分類は内容における分類ではない。 必殺シリーズを内容によって分類すると、「仕掛人」の系譜を継ぐ作品、「仕置人」の系譜を継ぐ作品、どちらにもあてはまらない作品…

必殺シリーズの時代区分

初期・中期・後期の区分 必殺シリーズをどのように時代区分するかは、何を基準にするかによっていくつかのタイプに分けられる。ここで提示するのは筆者の個人的な価値観に基づくものにすぎず、すべてのファンにここでの時代区分案を強制するつもりはないこと…

南北朝正閏論争に関して

宮崎哲弥の「正義の見方」(新潮OH文庫版)の中に、南北朝正閏論争に触れた個所があった。 明治国家の元老山県有朋が、南北朝並立を記述した国史の国定教科書を糾弾し、執筆者の役人を休職処分にしたというエピソードが記述されていた。 天皇を神聖にして…

文学のポップカルチャー化について

純文学について 純文学の定義は十人十色であり、誰もが納得できる明確な定義はないといわれている。 特に、昭和50年代以後、文学のポップカルチャー化ともいえる現象が進行してからは、一層定義が困難になっただろう。 だが、純文学が芸術とみなされていた…

総理大臣が職を投げ出した時は、解散総選挙で民意を問うべきか

鳩山首相は、普天間問題で行き詰まって総理を辞職しそうな予感がする。その場合は、解散総選挙を行って民意を問うべきだろうか。 法的にはその必要はないはずである。もし法的に解散総選挙をしなければいけないのなら、安倍元首相も福田元首相も法律違反をし…

邪馬台国について

以前NHKで、邪馬台国は畿内にあったのか九州にあったのかをめぐる論争を検証した番組をやっていた。 そこでは最新の考古学の研究成果と、「魏志倭人伝」と呼ばれている史書中の記述を照らし合わせて、畿内説と九州説どちらが説得力があるかを考察していた…

永住外国人の参政権問題

永住外国人の参政権問題を論じる際は、参政権付与に賛成か反対かだけではなく、国籍取得の問題を含め、政府の基本方針はどうあるべきかについて論じる必要がある。1・参政権を付与せず国籍取得も難しいままでいいとする方針。2・参政権は付与しないが、国…

極個人的経験 若いこだまの思い出

同じような経験をした人は極少数にすぎないかもしれないが、ラジオ番組に関する思い出なので何人かは共通体験をしているかもしれない。 もう30年以上も前、中学1年生(1976年)の時の思い出である。 当時、角川書店の仕掛けたメディアミックス戦略で…