憲法9条

「護憲派」は唯一の勝機を逃してしまった、というお話

安倍晋三が、憲法を改正することなく集団的自衛権の行使を既成事実化しようとすることによって、「護憲派」は実質的に敗北してしまっただろう。 「護憲派」に唯一の勝機があったとしたら、それは「集団的自衛権の行使」に賛成する国民より反対する国民の方が…

憲法9条と自衛隊

ある時期まで、自衛隊は合憲か違憲かという論争が行われていたが(旧社会党が村山政権時、自衛隊は合憲であると方針転換したことによってこうした論争はマスメディア上ではみられなくなったが)、この問題の立て方は本末転倒だったのではないか。 まず、自衛…

日本の軍事政策−新理想主義的立場からの一私案

(サブブログ「ミルクたっぷりの酒・濃縮版」に2010年7月13日公開したものを転載) 戦後の日本では、護憲(憲法9条擁護)か改憲(憲法9条改正)かをめぐって論争が繰り広げられてきたが、すべての国民がどちらかの陣営に属さねばならず、中立的立場、第三…

護憲派とは何か−反戦平和の思想を考える

(サブブログ「ミルクたっぷりの酒・濃縮版」に2010年7月12日公開したものを転載) 護憲派とは、憲法前文と9条に表明されている反戦平和主義の思想を肯定的に評価している人たちのことだろう。 が、反戦平和の思想をどのように考えるのかについては必ずし…

日本の軍事政策−2つの理想主義と現実主義

(「ミルクたっぷりの酒」に2010年5月30日、「ミルクたっぷりの酒・濃縮版」に2010年7月11日公開したものを転載) 戦後日本の軍事政策に関する考え方には、2つの種類の「理想主義と現実主義」の対立がある。 1つは、憲法9条を擁護しようとする「反戦平…

憲法9条改正をめぐる三つ巴戦

(サブブログ「ミルクたっぷりの酒・濃縮版」に2010年7月10日公開したものを転載) 1980年代までは、憲法9条を改正すべきと考えている人たちは少数派にすぎなかった。 だが、90年代以降改正派の数は徐々に増えているだろう。 現時点で改正賛成派と反…

日本の軍事政策の基本理念に関して

(サブブログ「ミルクたっぷりの酒・濃縮版」に2010年7月7日公開したものを転載) 憲法9条、自衛隊、日本の軍事政策(防衛政策、安全保障政策)に関する問題をめぐっては、改憲=9条改正か、護憲=9条維持かといった二項対立で議論がなされているケース…

信仰としての憲法9条

(サブブログ「ミルクたっぷりの酒・濃縮版」に2010年7月6日公開したものを転載) 多くの宗教においては「何々をしてはいけない」「何々をしなければいけない」といった戒律や規律があるだろう。 だが、ある宗教を信仰している人で、戒律や規律を厳格に守…

あなたは憲法9条改正に賛成ですか

(サブブログ「ミルクたっぷりの酒・濃縮版」に2010年7月5日公開したものを転載) 「あなたは憲法9条改正に賛成ですか?」といった類の言説をマスメディアでよくみかけた。 だが、よく考えてみるとこういった問いかけはおかしなものだろう。 日本の軍事政…

憲法9条と日本の軍事政策に関して

今日は憲法記念日。世間では憲法改正問題をめぐって議論が盛り上がっているのだろうか。 私は、憲法9条を改正するか擁護するかを議論する前に、日本の軍事(防衛・安全保障)政策に関しての基本方針を、国民の同意・合意をえる形で形成すべきだと考えている…