たぬきちの「リストラなう」日記:検証

たぬきちの「リストラなう」日記。6月2日付エントリーのコメント欄がすごいことになっている。あれだけ話題になったブログだから、書籍化されるだろうと思っていた人は多いだろうが、最終回を掲載した翌日にいきなり、しかも大手の新潮社から7月末に出版されるという告知にびっくりした人は多いだろう。
また、コメントも掲載する予定だそうだが、その許諾の取り方をめぐっても議論がわきあがっている。
ブログ主が誠実であるならば、新潮社から出版のオファーがあり、それを受諾したこと、コメント欄も本に収録する予定であることを事前に記載しておくべきだったが、それをやると生の反応がみられなくなるから、あえてだまっていたのだろう。
私自身は、いつ新潮社からのオファーがあったのかが一番知りたかったが、今回、もう一度ざっと目を通していくつか気になる点をみつけた。

4月6日 その8
 「出版のオファーが来たりして舞い上がってた。まだ十数ページ分しか原稿がないのに。書籍化なんていって浮かれている場合じゃない。」
*ここでのオファーが新潮社からのものかはわからない。だが、もし新潮社からだったのならかなり早い時期に書籍化が決まっていたことになる。そして、そのことを隠して出版予定はないと嘘をついていたことになる。(この時点では一旦断ったが、後日承諾した可能性もあるが。)

4月7日 その9
 コメント欄「コメントを承諾モードに切り替えた方が良い」とアドヴァイスする人あり。
*コメントも書籍に載せるつもりだったのなら、アドヴァイスを受け入れるわけもない。

4月15日 その14
*「その13」にコメントをよせた同じ会社の人間に対して本文で返答。
 コメント欄に、反論あり。やらせでないのならかなりリアルな応酬。

4月18日 その16
 コメント欄に親会社社員を名乗る人間の書き込みあり(真偽は不明)。

4月20日 その18
*コメント欄 女性名の書き込みあり。私は、この人は新潮社の人間ではないかと睨んでいる(勘。根拠はない)。

4月21日 その19 「リストラなう」がコミックに?
 本文 ブログの書籍化依頼がかなりまいこんでいることをあかす。だが、話を断ったと記述している。
 コミック化を勝手にすすめる編集者とのやりとりあり。
 「5月末に無事退職できたらまたお話ください。」と言ったが、既に企画書を持ち込んでいた。結局、ボツになった。
 「企画通ってたら洒落になんねーぞ。」
*既に新潮社との間で契約していたのなら洒落にならない。二重契約になる。
 新潮社の依頼を受けたのはこの後なのか、それとも既に依頼を受けていながら隠していたのか。

 コメント欄 同じ会社の若手社員からの批判あり(実名あかす)。
*この日以降、同僚からの書き込みが目につくようになる。
 コメントを素直に読めば、新潮社からの書籍化の話を隠して取材活動を続けるたぬきち氏への怒りのコメントととれる。ただし、やらせ(仕込み)の可能性も全くないわけではない。
*この日の本文、コメントはかなり重要と思われる。

4月22日 その20
 コメント欄に取材依頼あり。(後日、本文で取材の話の報告あり。)

4月23日 その21
 「その19」でコメントを寄せた若手社員への返答あり。

4月24日 番外編3
 父からの手紙

*同じ会社の社員との応答があったり、急に父親が登場したりと作り込みが目立ってきている。このあたりから書籍化を意識しているなと感じた読者は結構いるんじゃないだろうか。4月6日の時点で出版依頼を受諾していたのでなければ、4月21日のあたりだろう。

このブログは、どこまでが事実でどこまでが虚構か、それを推理しながら読むのが結構楽しかったです。多くの関係者を巻き込んだ壮大なやらせのような気もするし、一方、無名ブロガーが突然1日8万PVを超える人気ブロガーとなり、老舗出版社からの出版依頼を受け舞い上がっていたようにもみえる。
たぬきち氏自身も、計算高い人間なのか、先を読むことのできない天然系のお人よしなのか、ブログを読むだけでは判断できない(なんとなく後者のような気もするが)。
後者であるのなら、非難や誹謗中傷によって神経をいためないように祈るだけです。


たぬきちの「リストラなう」日記  http://d.hatena.ne.jp/tanu_ki/