憲法9条と日本の軍事政策に関して

今日は憲法記念日。世間では憲法改正問題をめぐって議論が盛り上がっているのだろうか。
私は、憲法9条を改正するか擁護するかを議論する前に、日本の軍事(防衛・安全保障)政策に関しての基本方針を、国民の同意・合意をえる形で形成すべきだと考えている。日本の軍事政策の基本方針は以下の4つのものがある。
1・武力攻撃容認主義
 国益になると判断すれば、他国を武力攻撃・先制攻撃することも可能とする。
2・海外紛争介入主義
 日本から他国を武力攻撃することは禁止するが、海外でおきた紛争には武力行使を伴って介入できることとする。
3・非武力行使型海外紛争介入主義
 海外でおきた紛争には、武力行使を伴わない形で介入する。90年代以降、日本の政府がとっている立場。
4・一国平和主義・専守防衛(正当防衛)主義
 他国から武力攻撃をうけたとき、これに対して戦う自衛の戦争以外は否定する。80年代までの日本がとっていた立場。
・自衛のための戦争も否定する「絶対平和主義」的な思想もあるが、政策とはならないので除外する。

9条改正派は、1「武力攻撃容認主義」と2「海外紛争介入主義」の立場の人が圧倒的だろうが、この2つの立場では改正案の内容がかなりかわってくる。また、国民の中には2の方針の改正案には賛成できるが、1の方針の改正案には賛成できないという人もかなりいるだろう(私もその1人です)。
「護憲」の立場をとる場合は、(イラク戦争のときのように)アメリカから軍事協力を求められたときにどういった対応(政策)をとるべきかが重要な問題となる。事前に明確な方針・ビジョンをもっていないと、普天間基地問題をめぐる鳩山政権のような迷走を繰り広げるだけだろう。

憲法9条と日本の軍事政策に関する私自身の考えは「リンク集」の「ミルクたっぷりの酒・濃縮版」の中に載せてあります。


憲法9条と日本の軍事政策」
 あなたは憲法9条改正に賛成ですか
 信仰としての憲法9条
 日本の軍事政策の基本理念に関して
 憲法9条改正をめぐる三つ巴戦
 日本の軍事政策−2つの理想主義と現実主義
 護憲派とは何か−反戦平和の思想を考える
 日本の軍事政策−新理想主義的立場からの一私案