小説は筋か描写か


何週間か前(1カ月以上前かもしれない)立ち読みした「SPA」の記事から(扶桑社さん、すいません買ってません)。
福田和也坪内祐三の対談「これでいいのだ」。
二人とも小説は筋(話の内容)よりも描写(表現)のほうが大事だといった意味の発言をしていた。
話の内容そのものよりも、読ませる描写・文章表現のほうに魅力を感じ、最近満足を感じる描写力・表現力のある作品が少なくなったと言っていたような気がする。
90年代にも別の批評家・評論家が同様の発言をしていたと思った。


評価の高い作品は大体次の3つのパターンのどれかにあてはる。
1・「筋(話の内容)」も面白く、「描写力(表現力)」にも魅力のある作品。
2・「描写力(表現力)」には問題があるが、「筋(話の内容)」は面白い作品。
3・「筋(話の内容)」はたいしたことがないが、「描写力(表現力)」に魅力のある作品。


まあ、作り手側がどちらを重視しているか(あるいは両方に同じ位の比重を置いているのか)、作品の受け取り手がどちらに魅力を感じているかの問題であって、小説(漫画や映画などにもあてはまるが)にとって大事なのは筋か描写かといったことではないけれども。
ただ、筋よりも描写のほうを重視している人のほうが玄人っぽい雰囲気は感じるけれどね。